特集 IgG4関連疾患とその鑑別 ―IgG4-related or not? That is the question―
IgG4関連疾患とは何か? ―臨床的側面から語る疾患の本質
吉藤 元
1
1京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学
キーワード:
リンパ増殖性疾患
,
花筵状線維化
,
異所性胚中心
,
IgG4陽性形質細胞
Keyword:
リンパ増殖性疾患
,
花筵状線維化
,
異所性胚中心
,
IgG4陽性形質細胞
pp.1102-1108
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000006521
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
● IgG4関連疾患(IgG4-RD)は,リンパ増殖性病変と線維化病変の2本柱を病態の本質とし,臓器横断的に腫瘤性病変を形成する良性疾患である.
● IgG4-RDの病変は,対称性・臓器外周性・非破壊性という特徴的パターンを示し,これらは異所性胚中心や線維化病変の形成メカニズムと密接に関係している.
● 病変局所でナイーブB細胞が形質細胞へと分化し,IgG4を産生する.血清IgG4濃度は,IgG4-RDの診断および疾患活動性のマーカーとして有用である.
● 治療の第一選択は糖質コルチコイドであるが,再燃率は高い.近年はB細胞標的療法への期待が高まっている.

Copyright © 2025, Gakken All rights reserved.