Japanese
English
特集 CKD-MBDの新しい潮流
CKD-MBD管理の課題
CKD患者における血中カルシウム値の異常と予後
Association between abnormal calcium homeostasis and diverse outcomes in chronic kidney disease
荒瀬 北斗
1
,
山田 俊輔
2
,
中野 敏昭
2,3
ARASE Hokuto
1
,
YAMADA Shunsuke
2
,
NAKANO Toshiaki
2,3
1国立病院機構福岡東医療センター腎臓内科
2九州大学病院腎・高血圧・脳血管内科
3九州大学大学院医学研究院総合コホートセンター
キーワード:
カルシウム
,
カルシウムバランス
,
血管石灰化
,
心血管疾患
,
感染症
Keyword:
カルシウム
,
カルシウムバランス
,
血管石灰化
,
心血管疾患
,
感染症
pp.315-320
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000874
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はじめに
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(chronic kidney disease-mineral and bone disorder:CKD-MBD)は,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の進行に伴ってみられる骨およびミネラル代謝異常で,心血管臓器をはじめとしたさまざまな臓器に障害をきたす全身性疾患である1)。カルシウム(Ca)は骨の主要な構成成分であるのみでなく,細胞内Ca濃度の変化(Caシグナリング)により細胞機能を制御するなど,生命維持に欠かせないミネラルであり,その血中濃度は厳密に調整されている。一方で,CKDではビタミンD活性化障害,二次性副甲状腺機能亢進症(secondary hyperparathyroidism:SHPT)によるCa代謝異常をきたし,Ca値の変化は患者予後に影響する。本稿では,CKD患者における血中Ca値と患者予後の関係およびCaバランスを考慮したCa管理の方法について概説する。
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