Japanese
English
特集 高血圧の病態と管理の最前線
各論―各病態における降圧目標と治療
心疾患
Treatment and blood pressure target in hypertensive patients with heart disease
甲斐 久史
1
KAI Hisashi
1
1久留米大学医療センター循環器内科
キーワード:
冠動脈疾患
,
心肥大
,
心不全
,
心房細動
Keyword:
冠動脈疾患
,
心肥大
,
心不全
,
心房細動
pp.204-211
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000847
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はじめに
高血圧は,あらゆる心疾患の発症,進展,増悪に関与する1)。心臓への直接的な圧負荷は,高血圧の成因にも関連するレニン・アンジオテンシン(RA)系や交感神経系などの神経液性因子の慢性的な過剰亢進とともに,心筋肥大・心筋線維化といった心筋リモデリングや心筋細胞カルシウム(Ca)ハンドリング・収縮蛋白の異常をきたし,左室の拡張機能および収縮機能を低下させる。最終的に左室駆出率(left ventricular ejection fraction:LVEF)の保持された心不全(heart failure with preserved ejection fraction:HFpEF,LVEF≧50%)あるいはLVEFの低下した心不全(heart failure with reduced ejection fraction:HFrEF,LVEF<40%)に至る(図1)2)。一方,高血圧は早期から内皮機能障害をきたし粥状動脈硬化を促進し,そのほかの冠危険因子と相まって,冠動脈疾患(coronary artery disease:CAD)を引き起こす。
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