老年医学からみた透析医療
高齢透析患者の心血管合併症とその対策
原田 和昌
1
1東京都健康長寿医療センター 循環器内科
キーワード:
冠動脈疾患
,
危険因子
,
血液透析
,
骨疾患-代謝性
,
心筋梗塞
,
心臓血管疾患
,
心不全
,
腎不全-慢性
,
心房細動
,
大動脈弁狭窄症
,
動脈硬化症
,
不整脈
,
慢性腎臓病
,
血管石灰化
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Arrhythmias, Cardiac
,
Aortic Valve Stenosis
,
Bone Diseases, Metabolic
,
Cardiovascular Diseases
,
Atrial Fibrillation
,
Coronary Disease
,
Heart Failure
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Myocardial Infarction
,
Risk Factors
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Vascular Calcification
pp.1233-1240
発行日 2015年9月10日
Published Date 2015/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015400651
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加齢とともに糸球体数は減少し,糖尿病性腎症や腎硬化症,糸球体腎炎などが合併してCKDから透析に至る.透析患者の死因は心不全(26.9%),感染症(20.8%),悪性腫瘍(9.4%)の順に多いが,脳心血管系合併症による死亡は4割以上を占める.高齢者に多い心血管疾患には高血圧や動脈硬化を基礎とした冠動脈疾患,弁膜症,心房細動があるが,これらは腎不全でも増加する.透析患者の心血管疾患が増加する機序として,古典的危険因子の合併が多いことに加え非古典的動脈硬化促進因子の存在が推定されている.また,透析患者ではリンの排泄障害を基礎に,加齢による血管石灰化が進行し心血管イベントを起こす機序も想定されている.
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