特集 高血圧診療Update―「高血圧治療ガイドライン2019」で何が変わるのか?
臓器障害を合併する高血圧
心疾患・血管疾患合併高血圧
妹尾 恵太郎
1
,
的場 聖明
2
1京都府立医科大学不整脈先進医療学講座
2京都府立医科大学循環器内科学・腎臓内科学
キーワード:
冠動脈疾患
,
心不全
,
心房細動
Keyword:
冠動脈疾患
,
心不全
,
心房細動
pp.215-218
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_215
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Summary
▪2019年4月に「高血圧治療ガイドライン2019」(JSH2019)が刊行された.
▪今回の改訂では初めて臨床課題(CQ)を設定し,独自のシステマティックレビュー/メタ解析(SR/MA)も行って,エビデンスに基づいた降圧目標が設定されている.
▪とくに心疾患・血管疾患合併高血圧の項目での改訂ポイントは,「降圧目標の変更」と「心房細動の追記」の二つと思われる.
▪冠動脈疾患の場合,降圧薬開始基準を130/80mmHg以上とし,かつ降圧目標を130/80mmHgとした.
▪左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)の降圧目標は,収縮期血圧(SBP)130mmHg未満となった.
▪心房細動の新規発症予防のためにSBP 130mmHg未満への降圧が有用であることが記載され,心房細動症例に関しては適切な抗凝固療法と心拍数コントロール治療とともにSBP 130mmHg未満を目指すことが推奨されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2020