特集 膠原病・自己免疫疾患を「見える化」する
臨床から見える化する
【SLE】
SLEの管理を見える化する
梶山 浩
1
1埼玉医科大学リウマチ膠原病科
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
SLE
,
ループス腎炎
,
分類基準
,
重症度
,
低疾患活動性
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
SLE
,
ループス腎炎
,
分類基準
,
重症度
,
低疾患活動性
pp.2070-2076
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227291
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Point
◎全身性エリテマトーデス(SLE)は全身性自己免疫疾患であり,B細胞の過剰かつ異常な活性化から,多様な自己抗体が産生され,さまざまな臓器障害をきたす.
◎診断のための分類基準は,1997年ACR改訂分類基準と2012年SLICC分類基準を併用している.現在,2019年EULAR/ACR分類基準について本邦での検証が進められている.
◎SLEDAI,BILAGでSLEの疾患活動性を,ISN/RPS分類でループス腎炎の組織学的重症度を判定し,ACRガイドライン,EULARリコメンデーション,本邦のSLE診療ガイドラインを参考に治療方針を決定する.
◎グルココルチコイド,免疫抑制薬のシクロホスファミド,アザチオプリン,タクロリムス,ミコフェノール酸モフェチル,生物学的製剤のベリムマブと,処方できる薬剤の種類も増え,治療は進歩してきた.
◎低疾患活動性を目標に治療し,不可逆的な臓器障害を最小限にする.治療の進歩により近年では10年生存率が90%を超えている一方で,長期のステロイド投与による合併症管理,難治性病態の治療が課題である.
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