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特集 Genetics in CKD
Overview
CKDにおける遺伝学の進歩:国際動向も踏まえて
Genetics in CKD−recent development
野津 寛大
1
NOZU Kandai
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野
キーワード:
遺伝性腎疾患
,
ステロイド抵抗性ネフローゼ
,
巣状分節性糸球体硬化症
Keyword:
遺伝性腎疾患
,
ステロイド抵抗性ネフローゼ
,
巣状分節性糸球体硬化症
pp.315-320
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000642
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はじめに
近年の遺伝学的検査手法の進歩により,遺伝性腎疾患の診断が容易となり,どのような施設からも遺伝学的検査にアクセスすることが可能となった。それにより,これまで診断されていなかった多数の患者が遺伝性腎疾患と診断されるに至っている。海外からの大規模な成人慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした報告で,約10%もの患者が遺伝性腎疾患であるとの報告がなされ,世界を驚かせたが,その後も同様の報告が多数なされるに至っている。そのため,腎臓内科の診療において,遺伝性腎疾患の診断へのアプローチは欠かせないものとなった。筆者は日本腎臓学会からの推薦で2020年に開催されたKidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)Controversies Conference―Genetics in CKD―に参加した。本会合は,世界中の遺伝性腎疾患専門家が一堂に会し,急速に変化する遺伝性腎疾患診療を取り巻く環境の変化により生じた多くの問題点に関して協議する重要な会合であった。この会合により多数の重要なテーマに関する今後の方針が示された。
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