Japanese
English
特集 バスキュラーアクセスUpToDate
トピックス
自動化に向けた穿刺におけるヒューマンパフォーマンスの定量化の試み
Attempts to quantify human performance in puncturing for automated puncture
鈴木 聡
1,2
SUZUKI Satoshi
1,2
1神奈川工科大学健康医療科学部臨床工学科
2神奈川工科大学大学院工学研究科
キーワード:
モーションキャプチャ
,
人間行動
,
行動形成要因
,
穿刺ロボット
Keyword:
モーションキャプチャ
,
人間行動
,
行動形成要因
,
穿刺ロボット
pp.301-304
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000635
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
血液透析(HD)においてバスキュラーアクセス(VA)は必須である。わが国の慢性透析患者におけるVAの種類として,内シャント・グラフト・動脈表在化の比率に長年大きな変化はなく1,2),ヘマサイトや外シャントのようなVAはほとんどみることがない。すなわち,カテーテルを除けば治療のたびに穿刺を伴うVAであり,穿刺のために医療スタッフの労力が割かれている。いうまでもなく穿刺は人間が行う行為であり,その技能には個人差が生じる。穿刺に対して苦手意識のあるスタッフや,例えば,動きやすい血管などの特定の特徴があるVAへの穿刺を苦手と感じるスタッフも少なくないと思われる。また,穿刺が伴えば在宅HDの阻害にもなる。穿刺を回避する方法は,現実的には腹膜透析(PD)への移行かもしれないが,HDに比べると除水制御が容易でないことや,時間平均クリアランスが低く,腹膜へのダメージなどPDのデメリットも少なくない。少し長期的・体系的に考えると,新たな腎代替療法の創出か,穿刺自体を自動化するかの2択かと思われる。筆者らは後者に向け,将来的には穿刺ロボットなるものの開発を目指すことを試みたが,本稿ではその前段階として「穿刺」というヒューマンパフォーマンスについての検討部分を中心に紹介する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.