Japanese
English
臨床研究
手術侵襲の定量化の試み
Trial of quantitive classification of surgical stress
舟生 富寿
1
,
工藤 茂宣
1
,
人見 浩
1
,
菅原 茂
1
,
鈴木 唯司
1
,
二川原 和男
1
,
青木 敬治
1
,
中野 けいこ
1
,
寺山 百合子
1
Tomihisa FUNYU
1
1弘前大学医学部泌尿器科
pp.481-489
発行日 1976年4月20日
Published Date 1976/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206482
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はじめに
生体にある種の侵襲が加わると,神経系やホルモン臓器系に特異的反応が起こることは,Cannonの交感神経系・副腎髄質機能を中心としたemergency reactionやSelyeの下垂体副腎皮質系機能を中心としたストレス学説などにより注目を集め,その後多くの研究が行なわれ,侵襲に対する反応の動態が各面より追求されている.
手術侵襲においても,同様の生体防御反応は惹起され,その侵襲の大小により反応の程度も種々であろうと当然推察される.実際の手術でその侵襲の大小を云々される時,多分に経験的,概念的に表現されており,これがまたかなり正確に手術と患者との相対的関係を見通されているのも事実である.反面,いざその定義,内容を考えると漠然と使用されていることに気づく.手術侵襲とは患者の年齢,重要臓器の機能,対象疾患の軽重などと,それに対する手術の物理的・機能的影響の大きさ,手術の大小難易など複雑な相対的関係が総括的,概念的に表現されているものである.
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