Japanese
English
特集 バスキュラーアクセスUpToDate
合併症とその対策
スチール症候群
Dialysis access-associated steal syndrome
櫻間 教文
1,2
,
平松 聡
1
SAKURAMA Kazufumi
1,2
,
HIRAMATSU Satoshi
1
1重井医学研究所附属病院外科
2重井医学研究所附属病院ダイアライシスアクセスセンター
キーワード:
スチール症候群
,
動脈造影パターン
,
スチール症候群発症リスク分類
Keyword:
スチール症候群
,
動脈造影パターン
,
スチール症候群発症リスク分類
pp.271-277
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000630
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
スチール症候群(dialysis access-associated steal syndrome:DASS)は,Busselら1)が1971年に報告したことで周知され,動静脈シャント〔arteriovenous fistula(AVF)〕造設後に動脈血がシャントへと盗血されて,手指への血流供給が減少して虚血となり,手指の冷感,しびれ,痛みや潰瘍を生じるバスキュラーアクセス(vascular access:VA)手術合併症の1つである。自覚症状の重症度は閉塞性動脈硬化症重症度分類のFontaine分類が流用されているが,重症になると神経障害や手指切断に至ることもあり,放置できない疾患である。術前にDASSの発症を予測できればDASS回避可能な適切な術式を選択できる可能性があるため,動脈造影パターン別にDASS発症リスク分類を行い,リスク分類別のDASSの治療方法について解説したい。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.