日常染色法ガイダンス 細菌・真菌の日常染色—抗酸菌の染色
チール・ネルゼン染色(変法)
市川 つわ
1
,
町田 大輔
1
,
阿部 美知子
2
,
久米 光
3
1北里大学病院病院病理部
2北里大学医療衛生学部
3北里大学医学部病理学
pp.369-372
発行日 1998年4月1日
Published Date 1998/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903388
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目的
結核は過去の病気と思われがちだが,近年,結核罹患率減少の鈍化や,逆に患者が増加傾向にあることが問題になっている.そのような中で結核菌の同定は日常の診断・治療を行ううえで重要な検査の1つである.
結核菌は代表的な抗酸菌であり,この仲間にはほかに非結核性抗酸菌(非定型抗酸菌),癩菌などがある.抗酸菌は脂質に富んだ堅牢な細胞壁を有するために染色されにくいが,染色液に媒染剤として石炭酸を加えることにより染色される.また一度染色されると,酸やアルコールなどに抵抗性で脱色されにくいという特性(抗酸性)がある.
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