増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
7.組織内病原体の日常染色法
b)抗酸菌の染色法
チール・ネルゼン染色(変法)
市川 つわ
,
町田 大輔
,
阿部 美知子
,
久米 光
pp.756-759
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905883
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
目的
結核は過去の病気と思われがちだが,近年,結核罹患率減少の鈍化や,逆に患者が増加傾向にあることが問題になっている.そのような中で結核菌の同定は日常の診断・治療を行ううえで重要な検査の1つである.
結核菌は代表的な抗酸菌であり,この仲間にはほかに非結核性抗酸菌(非定型抗酸菌),らい菌などがある.抗酸菌は脂質に富んだ堅牢な細胞壁を有するために染色されにくいが,染色液に媒染剤として石炭酸を加えることにより染色される.また一度染色されると,酸やアルコールなどに抵抗性で脱色されにくいという特性(抗酸性)がある.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.