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増刊号 腎代替療法のすべて
【第2章 腎代替療法への導入とその考え方】
1 慢性腎臓病(CKD) ①血液透析導入基準
Criteria for initiation of hemodialysis
川口 祐輝
1
,
花房 規男
1
Kawaguchi Yuki
1
,
Hanafusa Norio
1
1東京女子医科大学血液浄化療法科
キーワード:
initiation of hemodialysis
Keyword:
initiation of hemodialysis
pp.30-33
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000395
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はじめに
透析導入の基準として,平成3(1991)年度厚生科学研究腎不全医療研究事業研究により作成された慢性維持透析療法の導入基準(厚生科研基準)1)が,わが国では長年にわたり使用されてきた。表11)に示す通り,血清クレアチニンまたはクレアチニンクリアランスを用いて腎機能の指標とし,腎不全に伴う症状や日常生活への障害度などを評価してこれらを点数化することで透析導入を判定したものである。腎不全の状態を総合的に評価した透析導入は,その後の海外の基準が主に糸球体濾過量(GFR)を基準にするなか,非常に先進的な指標であった。しかし,高齢化の進展により,透析導入患者の平均年齢が上昇し,クレアチニンの値が必ずしも透析導入の基準に適さない患者が増えてきた。また,糖尿病性腎症や腎硬化症を原疾患とするような全身性血管合併症を伴うCKD患者の増加もみられる。こうした背景をもとに,日本透析医学会より2013年にガイドライン2)が発表された。ここでは,現行の2013年版のガイドラインの内容について解説を行う。
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