特集 内科診療にガイドラインを生かす
腎・泌尿器疾患
慢性腎臓病(CKD)
今井 圓裕
1
1中山寺いまいクリニック
pp.238-244
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107111
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン(表1)
2002年に慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)を早期に発見し,透析患者を減らし,心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)の発症を抑制することを目的として,米国腎臓財団の学術部門であるKidney Disease Outcomes Quality Initiatives(KDOQI)により,CKDの診断と治療に関するガイドラインが作成された.このガイドラインによりCKDという概念が確立し,その簡潔さとわかりやすさから,現在,世界各国でCKD対策に使用されている.
わが国においては,2007年に日本腎臓学会からCKD診療ガイドが出版された.これは,CKDという概念を日本に広めるために作成されたものである.記載は「ステートメント」を先に記載し,その根拠や説明を記載する方法を取っている.当時は日本人のための糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)推算式が完成する前であり,残念ながら不完全な内容であった.2009年に発行されたCKD診療ガイドには約800名の日本人のCKD患者のイヌリンクリアランスのデータより作成した日本人のGFR推算式が記載され,わが国のCKD診療に対応できるものとなった.
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