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第31回 腎と妊娠研究会 【シンポジウム:HDPの腎障害を再考する】
妊娠高血圧腎症マウスモデルを用いたニコチンアミドによる薬物療法の開発
Development of novel pharmacotherapy of preeclampsia using mouse models
髙橋 信行
1
TAKAHASHI Nobuyuki
1
1東北大学大学院薬学研究科 医療薬学講座 臨床薬学分野
キーワード:
ニコチンアミド
,
RUPP
,
DOHaD
Keyword:
ニコチンアミド
,
RUPP
,
DOHaD
pp.777-779
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000383
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はじめに
妊娠高血圧腎症(preeclampsia:PE)の病因には不明な点が多いが,胎盤形成不全,胎盤虚血,可溶性fms様チロシンキナーゼ-1(soluble fms-like tyrosine kinase-1:sFlt-1)増加などが関与している1)。また,胎盤形成不全はらせん動脈への栄養膜細胞の浸潤の異常などによって起こる。sFlt-1は血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)受容体1のスプライスバリアントで,VEGF受容体1の細胞外ドメインのみをもち,細胞外に放出される。sFlt-1はVEGFや胎盤増殖因子(placental growth factor:PlGF)と結合するため,これらは本来のVEGF受容体と結合できなくなる。したがって,sFlt-1はVEGFやPlGFの阻害薬として作用する。sFlt-1/PlGF比は妊娠高血圧腎症の予測に広く使用されている2)。
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