検査ファイル 項目
抗ニコチンアミドアデニンジヌクレオチダーゼ抗体(ANADase)
富山 哲雄
1
1東京大学医学部附属病院分院検査部
pp.1372-1373
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205494
- 有料閲覧
- 文献概要
[1]はじめに
溶レン菌感染症の血清学的診断法として,ASO価の測定が広く行われているが,ASO価の測定だけでは診断率は十分ではない.この原因として,宿主側の問題のほかにストレプトリジンO非産生株による感染の問題や,血中脂質による指標赤血球の溶血阻止など,いくつかの間題が指摘されている.この診断率を向上させる方法として,ASOのほかに抗ニコチンアミドアデニンジヌクレオチダーゼ抗体(anti-nicotinamideadenine dinucleotidase antibody;ANADase),抗ヒアルロニダーゼ抗体(anti-hyaluronidase antibody;AH),抗DNase B抗体などの測定が提唱されているが,中でもANADaseはAHと並んで非常に有用であることが知られている.ANADaseはニコチンアミドアデニンジヌクレオチダーゼ(NADase)に対する抗体で,NADaseはA,C,G群溶レン菌によって産生される菌体外酵素である.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.