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特集 腎性貧血:HIF-PH阻害薬への期待と課題
【各論】
HIF-PH阻害薬使用時の注意点 HIF-PH阻害薬開始時と使用後のスクリーニング
Screening for effectiveness and adverse-events before and after initiation of HIF-PH inhibitors
深谷 大地
1
,
岡田 浩一
1
FUKAYA Daichi
1
,
OKADA Hirokazu
1
1埼玉医科大学病院 腎臓内科
キーワード:
HIF-PH阻害薬
,
鉄利用障害
,
ESA抵抗性
,
腎性貧血
Keyword:
HIF-PH阻害薬
,
鉄利用障害
,
ESA抵抗性
,
腎性貧血
pp.229-235
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000265
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はじめに
慢性腎臓病(CKD)の代表的合併症である腎性貧血は,腎におけるエリスロポエチン(EPO)の産生・分泌障害によって,ヘモグロビン(Hb)低下時に見合ったEPO産生ができないことが主因で引き起こされる。これまでの腎性貧血の治療は赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis-stimulating agent:ESA)の投与と適切な鉄補充療法が中心であったが,EPO産生を制御する低酸素誘導因子(hypoxia inducible factor:HIF)の機能解明1)を契機に,HIFの調整機構であるHIF-プロリン水酸化酵素(prolyl hydroxylase domain:PHD)に対する阻害薬(HIF-PH阻害薬)が腎性貧血治療薬として開発された。HIF-PH阻害薬はわが国において,2019年より新たな経口腎性貧血治療薬として臨床導入・販売が開始されており,2022年5月時点では5種のHIF-PH阻害薬が承認を受けて使用されている。これらのHIF-PH阻害薬の使用においては,HIFの反応経路やこれまでの臨床試験の結果から注意すべき病態が挙げられており,わが国においては『日本腎臓学会 HIF-PH阻害薬適正使用に関するrecommendation』2)が公開されている。
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