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特集 予防医学からみた腎疾患診療
【CKDの発症・進展と合併症のリスクとされるエビデンス】
糖代謝異常 インスリン抵抗性と腎障害
The pathogenic role of insulin resistance in CKD
脇野 修
1
WAKINO Shu
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部 腎臓内科学分野
キーワード:
インスリン抵抗性
,
メタボリックシンドローム
,
インスリン受容体
,
mTOR
,
糖尿病性腎臓病
Keyword:
インスリン抵抗性
,
メタボリックシンドローム
,
インスリン受容体
,
mTOR
,
糖尿病性腎臓病
pp.853-859
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000171
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はじめに
インスリン抵抗性(insulin resistance:IR)とは,筋肉,肝臓,脂肪組織においてインスリンによる糖の細胞内への取り込み作用が減弱する状態である。IRが生じる状態として肥満やメタボリックシンドローム(MS)が有名であるが,それ以外にも全身に炎症が認められる病態,例えば感染症やがんの悪液質,さらに慢性腎臓病(CKD),末期腎不全,透析患者においても認められることが知られている。IRがMSの基盤病態,そして肥満を基盤とする2型糖尿病の基盤病態として存在することは知られているが,IRがCKD,腎不全の原因となるかについては実ははっきりしていない。さらに,糖尿病性腎臓病(DKD)における発症・進展の因子となっているかも十分明らかにされていない。
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