増刊号 191の疑問に答える周産期の栄養
母体の栄養
4.妊娠中・体重増加
5)妊娠とインスリン抵抗性
増山 寿
1
Masuyama Hisashi
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域産科・婦人科学
キーワード:
インスリン抵抗性
,
胎児発育
,
妊娠糖尿病
,
アディポサイトカイン
Keyword:
インスリン抵抗性
,
胎児発育
,
妊娠糖尿病
,
アディポサイトカイン
pp.325-327
発行日 2022年11月18日
Published Date 2022/11/18
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000539
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はじめに
全妊娠期間の生理的体重増加は約10 kgで,胎児および付属器の発育や子宮の増大に加えて乳房の増大,循環血液量や体液量の増加,皮下脂肪の貯留などが関与している。酸素消費量は約20%,基礎代謝率は約10%増加する。妊娠中の糖・脂質・蛋白質代謝は,主に胎児の発育のために大きく変化する(図1)。妊娠初期から中期にかけて脂肪は蓄積されるが,胎児発育が急速となる後期にはエネルギー消費が増大し減少する。蛋白質も母体に蓄積され,胎児発育に利用される。
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