慢性腎臓病 CKDの新たなパラダイムを求めて
腎不全に伴うインスリン抵抗性
水口 斉
1
,
脇野 修
,
伊藤 裕
1慶応義塾大学 腎臓内分泌代謝内科
キーワード:
Mineralocorticoid Receptor Antagonists
,
インスリン抵抗性
,
腎機能障害
,
慢性腎臓病
,
Thiazolidines
Keyword:
Mineralocorticoid Receptor Antagonists
,
Insulin Resistance
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Renal Insufficiency
,
Thiazolidines
pp.299-302
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011140415
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・慢性腎臓病では、非常に早期の段階からインスリン抵抗性が存在する。・腎不全に伴うインスリン抵抗性の原因としては、尿毒症物質、慢性炎症、酸化ストレス、vitamin D欠乏、代謝性アシドーシス、貧血、アルドステロンなどが想定される。・NHANES III研究にてインスリン抵抗性は、独立した有意な腎不全進行のリスクであるということが示されている。・CKDと腎性インスリン抵抗性症候群(RIRs)は相互に影響を及ぼし、悪循環を形成し、さらには心腎連関もRIRsの影響を受けている可能性がある。・RIRsの治療戦略としては、従来どおりのCKD管理のほか、チアゾリジン誘導体、アルドステロンブロッカーなどの投与も考えられる。・今後、CKD患者におけるIRの重要性を確認したうえで、チアゾリジン誘導体およびアルドステロンブロッカーによる治療効果の検討も行うべきであると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2011