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特集 Onco-nephrology:悪性腫瘍治療と腎機能障害
【総論】
成人CKD患者におけるがん発生の疫学と特徴
The incidences and characteristics of various cancers in adult chronic kidney disease patients
渡辺 裕輔
1,2
,
岡田 浩一
1
WATANABE Yusuke
1,2
,
OKADA Hirokazu
1
1埼玉医科大学病院 腎臓内科
2埼玉医科大学国際医療センター 血液浄化部・腎臓内科
キーワード:
CKD
,
malignancy
,
cancer
,
SIR
,
SMR
Keyword:
CKD
,
malignancy
,
cancer
,
SIR
,
SMR
pp.533-537
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000104
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はじめに
令和2年(2020年)の人口動態統計によると,日本人の死因の第1位は悪性腫瘍であり,全死亡者に占める割合は27.6%であった。また死因の年次推移をみると,悪性腫瘍の割合は近年増加の一途を辿っている(図)1)。国立がん研究センターの最新がん統計によると,日本人のがん累積罹患リスクは男性65.0%,女性50.2%であり,がん累積死亡リスクは男性26.7%,女性17.8%と報告されている。また部位別のがん死亡率は,男性では肺がん,胃がん,大腸がん,膵がん,肝がんの順に頻度が高く,女性では大腸がん,肺がん,膵がん,乳がん,胃がんの順に多い2)。これらの疫学データなどをもとに厚生労働省は「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を作成し,科学的根拠に基づくがん検診を推進しており,市町村のがん検診の項目として肺がん,大腸がん,胃がん,乳がん,子宮頸がんを指定している。
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