Japanese
English
第19回日本高齢者腎不全研究会
ベッドサイドから考える高齢者の透析療法
Optimal care for elderly dialysis patients
伊東 稔
1
ITO Minoru
1
1矢吹病院 腎臓内科
キーワード:
高齢者
,
透析療法
,
運動療法
,
CKM
Keyword:
高齢者
,
透析療法
,
運動療法
,
CKM
pp.504-507
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000094
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1.高齢透析患者の特徴
一般にヒトの臓器機能は加齢とともに低下していく。基礎代謝や細胞内水分量はゆっくりと低下し,75歳時には30歳時の80%程度になる。一方,肺機能や腎機能,心機能は50歳以降から比較的急速に低下し,75歳時には30歳時の30~60%まで低下する1)。生理的な臓器機能低下は臓器により差があるものの若年者と比べればかなり低下している。認知機能,運動機能も加齢とともに低下し,さらに咀嚼・嚥下・巧緻機能や視覚など,さまざまな機能低下が表れてくる。これらの機能低下はもともと個人差があり,基礎疾患や生活習慣にも影響され,年齢だけで一括りにできない。また,単一の基礎疾患だけをもつケースは少なく,複数の疾病をもつ多病の状態であることが多い。こういった状況が高齢者医療をより複雑なものにしている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.