Japanese
English
症例報告
透析療法中に下肢痛や筋痙攣を認めた症例の運動療法経験
Functional therapy experience of the case that accepted a pain and the muscle cramps of lower limbs during dialysis
垣内 優芳
1,2
,
森 明子
3
Masayoshi Kakiuchi
1,2
1医療法人社団五誓会あさひ病院リハビリ室
2西神戸医療センターリハビリテーション技術部
3兵庫医療大学リハビリテーション学部
キーワード:
透析療法
,
筋痙攣
,
骨格筋量
,
運動療法
Keyword:
透析療法
,
筋痙攣
,
骨格筋量
,
運動療法
pp.1063-1067
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200721
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要旨 今回われわれは,透析療法後半に下肢痛や筋痙攣を認める症例の運動療法を経験した.[症例]症例は糖尿病性腎症で血液透析導入となった60歳台の男性である.初期評価時,骨格筋量を反映する%クレアチニン産生速度は91%で,透析療法中は下肢痛や筋痙攣により臥床傾向で,運動療法に対して消極的であった.[介入]運動療法は,週2〜3回,1回20分を透析療法中(開始2時間以内)に1年間継続した.内容は下肢関節可動域運動,ストレッチ,筋力強化運動とした.筋の収縮様式は等尺性や遠心性収縮を避けた.また,生活指導の実施やドライウエイトは適宜修正された.[結果]運動療法開始1年後,下肢痛や筋痙攣は消失した.%クレアチニン産生速度は98%であった.[考察]筋痙攣の改善は,骨格筋量の改善がみられ,体内の総水分量が増加した結果,除水に伴う脱水症状が緩和したためであると考える.また飲水管理の改善や,ドライウエイトが患者にとって適正値に近づいたことも要因の1つと考えられた.
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