特集 透析医療を巡る臨床倫理の側面
7.法的側面から見たCKM(透析非導入・中止)
神谷 惠子
1
1 神谷法律事務所・弁護士
キーワード:
透析非導入
,
透析中止
,
CKM
,
インフォームド・コンセント
,
法的責任
Keyword:
透析非導入
,
透析中止
,
CKM
,
インフォームド・コンセント
,
法的責任
pp.1300-1305
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003150
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CKMが検討される段階ではすでに診療契約が締結されており,そこでは医師は,最善の医療を実施する義務や説明義務を負う.そのため,医師においては,透析の一方的な中止はできず,患者に対して,選択可能な治療方法として,尿毒症症状とその苦痛に加え,透析非導入・中止と共にCKMも説明をする必要がある.訴訟や裁判例においては,医師に対し,単に説明するだけでなく,説得をすることまで求められることがあるが,最終的には患者の判断とはなる.ただし,透析非導入・中止を一度決定したとしても,耐え難い苦痛を受け撤回した場合には,その撤回もまた尊重をする必要がある.
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