Japanese
English
特集 遺伝性消化管疾患の内視鏡診療
GAPPSに対する内視鏡診療の現状と課題
Gastric adenocarcinoma and proximal polyposis of the stomach (GAPPS): Current status and challenges of endoscopic management
岡本 耕一
1
,
吉本 貴則
1
,
横山 怜子
1
,
川口 智之
1
,
影本 開三
1
,
喜田 慶史
1
,
三井 康裕
1
,
佐藤 康史
1
,
高山 哲治
1
Koichi Okamoto
1
,
Takanori Yoshimoto
1
,
Reiko Yokoyama
1
,
Tomoyuki Kawaguchi
1
,
Kaizo Kagemoto
1
,
Yoshifumi Kida
1
,
Yasuhiro Mitsui
1
,
Yasushi Sato
1
,
Tetsuji Takayama
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部消化器内科学
キーワード:
GAPPS
,
APC関連ポリポーシス
,
APC promotor 1B
Keyword:
GAPPS
,
APC関連ポリポーシス
,
APC promotor 1B
pp.819-823
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002115
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Ⅰ.疾患の概念・頻度
Gastric adenocarcinoma and proximal polyposis of the stomach(GAPPS)は2012年にWorthleyらによって提唱された新規の遺伝性胃癌である1)。診断基準として,①胃底腺ポリープ(fundic gland polyps:FGPs)が胃穹窿部および胃体部に存在するが,十二指腸,大腸にポリポーシスを認めない,②発端者において100個以上の密生した胃底腺ポリポーシス(fundic gland polyposis:FGPsis)を認める,または,第一度近親者において30個以上のポリープを認める,③病理学的にFGPsを主座としながら,異型上皮を有する病変が存在する(または,異型性を有するFGPsあるいは胃癌を有する近親者が存在する),④常染色体顕性遺伝形式を呈する,⑤その他の遺伝性ポリポーシス症候群やプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)の使用が否定的であることが提唱されている。図1にGAPPS 発端者の内視鏡像を示す。胃穹窿部から胃体部にかけて密生するFGPsisを背景とし(図1a),胃体部大彎側に巨大な不整形潰瘍を伴う3型の進行胃癌を認める(図1b)。胃前庭部,十二指腸,結腸にはポリポーシスを認めない(図1c,d)。

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