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特集 大腸内視鏡 挿入・観察 A to Z
[見逃しを防ぐ観察法]
画像強調観察の活用―見逃しを防ぐための画像強調観察の有用性などについて
Utilization of image-enhanced endoscopy
杉村 直毅
1
,
平田 大善
1
,
佐野 蘭
2
,
岩館 峰雄
1
,
清水 佐知子
1
,
藤田 幹夫
1
,
佐野 亙
1
,
藤盛 孝博
3
,
佐野 寧
1
Naoki Sugimura
1
,
Daizen Hirata
1
,
Ran Sano
2
,
Mineo Iwatate
1
,
Sachiko Shimizu
1
,
Mikio Fujita
1
,
Wataru Sano
1
,
Takahiro Fujimori
3
,
Yasushi Sano
1
1佐野病院消化器センター・低侵襲内視鏡診断治療研究所
2済生会滋賀県病院消化器内科
3佐野病院病理診断部門
キーワード:
大腸内視鏡
,
画像強調観察
,
平坦・陥凹型病変
Keyword:
大腸内視鏡
,
画像強調観察
,
平坦・陥凹型病変
pp.383-387
発行日 2025年3月25日
Published Date 2025/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001918
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はじめに
大腸内視鏡検査では,20〜30%程度の病変が見逃されているとの報告があり,見逃しを防ぐことは重要な課題となっている。病変を見逃す要因として,大腸の構造に起因する物理的要因と病変視認性の要因があげられる。物理的要因に関しては,肝・脾彎曲部やSD・RS junctionなどの屈曲の強い部位やひだ裏や盲腸底部などが死角となりやすい。そのため,スコープ先端でのひだの押さえつけや,スコープを押し込んでの屈曲部の伸展観察などの技術を駆使することで,すべての粘膜をくまなく観察するように心がけることが病変を見落とさないためには重要である。一方で,特に平坦・陥凹型病変は白色光観察でモニターに映っていたとしても,病変として認識されず容易に見逃されうる。このような視認性不良な病変に対して画像強調内視鏡(image enhanced endoscopy:IEE)は,色調や構造を強調することで病変見逃しを防ぐ効果が期待されている。本稿では,narrow band imaging(NBI)・blue laser imaging(BLI)・linked color imaging(LCI),そしてtexture and color enhancement imaging(TXI)の有用性につき概説する。

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