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特集 大腸T1癌の診断と治療―内視鏡医・外科医・病理医のクロストーク―
[各論 治療―技術的アプローチ:T1癌の内視鏡治療戦略]
部位別・肉眼型別EMR治療
Strategy of endoscopic mucosal resection (EMR) by site/macroscopic type
岩館 峰雄
1
,
杉村 直毅
1
,
平田 大善
1
,
佐野 亙
1
,
佐野 寧
1
Mineo Iwatate
1
,
Naoki Sugimura
1
,
Daizen Hirata
1
,
Wataru Sano
1
,
Yasushi Sano
1
1佐野病院消化器センター・低侵襲内視鏡診断治療研究所
キーワード:
EMR
,
T1癌
,
non-lifting sign
Keyword:
EMR
,
T1癌
,
non-lifting sign
pp.75-80
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000593
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Ⅰ.T1癌の内視鏡治療適応の判断
明らかにT1b癌と診断される病変は原則的に手術を選択するが,内視鏡上T1aかT1b癌か迷う病変も存在する。内視鏡における早期大腸癌の深達度診断の詳細は前項に譲るが,T1aかT1b癌か迷う症例は,拡大IEE診断でJNET Type 3かType2Bか悩ましい症例が多く,より診断感度の高いクリスタルバイオレットによるpit pattern診断(感度:85.6%,特異度:96.4%,正診率:94.1%)でT1b癌の拾い上げを行うことで出血や穿孔のハイリスクとなるT1b癌に対する内視鏡治療をできるだけ避けることが肝要である1~3)。Pit pattern診断でも診断が難しい場合は,高周波超音波細径プローブ検査も考慮するが,特に隆起型に比べて平坦型T1b癌の正診率が高いとする(91.4% vs. 83.3%)報告がある4)。大腸T1癌においては,初回治療が手術であった場合に比べ,先行する内視鏡治療は追加外科切除後の再発や予後に影響を与えないことが示唆されているため,T1aかT1b癌か迷う病変でも内視鏡切除をまず考えてよい5)。
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