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特集 症例から学ぶ咽頭・食道ESD
表在型Barrett食道腺癌のESD
Barrett食道腺癌ESD病理結果がpT1b-SM≧500μm,脈管侵襲陽性だった
What should we do when the pathology revealed submucosal invasion≧500μm and/or vessel invasion after ESD?
木戸 恒陽
1
,
由雄 敏之
1
,
石山 晃世志
1
,
平澤 俊明
1
,
金森 淳
2
,
今村 裕
2
,
藤崎 順子
3
Koyo Kido
1
,
Toshiyuki Yoshio
1
,
Akiyoshi Ishiyama
1
,
Toshiaki Hirasawa
1
,
Atsushi Kanamori
2
,
Yu Imamura
2
,
Junko Fujisaki
3
1がん研有明病院上部消化管内科
2がん研有明病院食道外科
3がん研有明病院健診センター
キーワード:
Barrett食道腺癌
,
内視鏡切除
,
追加手術
Keyword:
Barrett食道腺癌
,
内視鏡切除
,
追加手術
pp.1216-1221
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001563
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はじめに
Barrett食道腺癌に代表される食道腺癌(esophageal adenocarcinoma:EAC)は欧米諸国においては食道癌の過半数を占め1),扁平上皮癌の多い本邦では,まれとされてきたが,近年Helicobacter pylori感染率の低下や食生活の欧米化による胃食道逆流症の増加とともに緩徐に増加しているとされる。日本食道学会の全国登録の登録症例においては腺癌の割合は1988〜1994年の1.4%から2007年の5.4%まで徐々に増加しているが,その後は5%前後で横ばいに推移しており,2015年では5.4%と報告される2)。『食道癌診療ガイドライン2022年版 第5版』3)から,Barrett粘膜は最大長3cm以上認めるとlong-segment Barrett’s esophagus(LSBE),3cm未満はshort-segment Barrett’s esophagus(SSBE)と定義されている。本邦では依然としてSSBE由来のEACが圧倒的に多い3)が,当院ではLSBE由来のEACの内視鏡切除例は,全EAC内視鏡切除例の約20%を占めている。
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