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特集 表在型食道扁平上皮癌―内視鏡診断と治療update―
[各論 表在型食道扁平上皮癌の内視鏡治療と治療後サーベイランス]
T1b-SM2食道扁平上皮癌に対する内視鏡的切除術の現状と問題点
The current situation of endoscopic resection with additional therapy for pT1b-SM2 esophageal squamous cell carcinoma
由雄 敏之
1
,
内藤 咲貴子
1,2
,
泉 敦子
1
,
石山 晃世志
1
,
池之山 洋平
1
,
並河 健
1
,
渡海 義隆
1
,
吉水 祥一
1
,
堀内 裕介
1
,
平澤 俊明
1
,
高松 学
3,4
,
藤崎 順子
1
Toshiyuki Yoshio
1
,
Sakiko Naito
1,2
,
Atsuko Izumi
1
,
Akiyoshi Ishiyama
1
,
Yohei Ikenoyama
1
,
Ken Namikawa
1
,
Yoshitaka Tokai
1
,
Shoichi Yoshimizu
1
,
Yusuke Horiuchi
1
,
Toshiaki Hirasawa
1
,
Manabu Takamatsu
3,4
,
Junko Fujisaki
1
1がん研有明病院上部消化管内科
2東京医科大学病院消化器内科
3がん研有明病院臨床病理センター病理部
4がん研究会がん研究所病理部
キーワード:
食道扁平上皮癌
,
pT1b-SM2
,
追加治療
Keyword:
食道扁平上皮癌
,
pT1b-SM2
,
追加治療
pp.1877-1884
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000540
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要旨
内視鏡技術の進歩に伴いcT1b-SM2食道扁平上皮癌に対して内視鏡的切除術(ER)を考慮することが増えているが,治療成績に関する報告は少ない。cT1b-SM2と診断し当院でERを施行した29例の検討では対象は深達度診断に迷った診断的ER例(55%)が多く,高齢(7%),他臓器癌の併存や既往のある症例(35%)はそれ程多くなかった。深達度の正診率は90%と高かった。またER後の病理診断でpT1b-SM2であった46例の検討では65%に追加治療が行われ,当院では追加手術,追加化学放射線療法/放射線療法(CRT/RT)は同数であった。追加治療なし例から2例,追加CRT例から1例の転移再発を認めたが,原病死は1例のみであった。cT1b-SM2にERを適応拡大すべき条件は限られており,食道温存治療を望む症例と深達度診断に迷う症例,他治療が困難な症例がよい適応と考えられた。ER後にpT1b-SM2であった症例は適切に追加治療を施行すれば経過良好であった。
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