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連載 内視鏡ビッグデータとICTを活用する・第6回
日本消化器内視鏡学会ICT基盤研究の取り組みと成果
Efforts and achievements of ICT infrastructure establishment for the development and implementation of an AI prototype to interface with an integrated endoscopy database around endoscopy practice
田中 聖人
1
Kiyohito Tanaka
1
1京都第二赤十字病院/日本消化器内視鏡学会
キーワード:
AI開発
,
アノテーション
,
倫理課題
Keyword:
AI開発
,
アノテーション
,
倫理課題
pp.1222-1228
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001564
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はじめに
Information and communication technology(ICT)基盤研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)の支援を受けて日本消化器内視鏡学会として取り組んできたものである。研究は大きく四つのカテゴリーに分け計8研究を行ってきた。いくつかの研究では内視鏡機器メーカーなどの協力も得て上市された,あるいは上市されるものも作成することができた。独自研究として行ったものに関しては広く日本消化器内視鏡学会の研究者が利用できる形でアプリケーションの提供を行いうる環境を作成した。まだ道半ばのものも存在することは否定できないが,成果をあげられたと考えている。今後考えていかねばならない点として,社会実装とするにあたっては学習用,テスト用の内視鏡画像の収集を『研究』という枠組みで集積しても商用利用する際に倫理上の問題が出現するため,今般の基盤研究や基礎研究を運用しつつ社会実装に向けて,情報提供たる患者側への同意を得つつ新たに集積する必要があるため留意が必要である。また一般利用が開始されている生成系人工知能(artificial intelligence:AI)とは異なり,医療機器として取り扱う際には再学習を運用施設ごとに個別に行うことは容認されていないことも注意点としてあげられる。倫理面や法的整備のなかで今後も研究者に役立てうるようなものにしていきたい。
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