Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅱ.炎症性疾患
治療行為に伴う粘膜傷害
放射線性小腸炎
Radiation enteritis
秋元 直彦
1
,
貝瀬 満
1
,
田中 周
1
,
岩切 勝彦
1
Naohiko Akimoto
1
,
Mitsuru Kaise
1
,
Shu Tanaka
1
,
Katsuhiko Iwakiri
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
放射線治療
,
腸管粘膜壊死
,
血流障害
Keyword:
放射線治療
,
腸管粘膜壊死
,
血流障害
pp.638-639
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001399
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疾患の概要
放射線性小腸炎は,放射線治療によって生じる消化管障害であり,診断と治療に難渋することがある。早期障害と晩期障害に分けられ,それぞれの病態が異なることが知られている1)。早期障害では粘膜の発赤からびらん,潰瘍,出血,広範な粘膜脱落をきたす一方,晩期障害では,血管内皮細胞障害による血行障害に伴う血管拡張と組織の線維化,絨毛の萎縮が特徴的である。線維化が高度になると腸管狭窄をきたす。治療として,消化管出血にはアルゴンプラズマ焼灼術(argon plasma coagulation:APC),有症状の狭窄に対してはバルーン小腸内視鏡観察下でのバルーン拡張術などがある。APC施行時は,慢性炎症で脆弱化した腸管が穿孔するリスクも伴うことに留意する必要がある2~4)。
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