Japanese
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特集 大腸内視鏡のトラブルシューティング
[緊急内視鏡関連のトラブルシューティング]
憩室出血の出血点がわからない
What should we do when the source of bleeding cannot be identified in a case with suspected diverticular bleeding?
大森 順
1
,
貝瀬 満
1
,
中込 峻
1
,
石川 裕美子
1
,
小泉 英里子
1
,
星本 相理
1
,
樋口 和寿
1
,
西本 崇良
1
,
秋元 直彦
1
,
辰口 篤志
1
,
藤森 俊二
1
,
後藤 修
1
,
岩切 勝彦
1
Jun Omori
1
,
Mitsuru Kaise
1
,
Shun Nakagome
1
,
Yumiko Ishikawa
1
,
Eriko Koizumi
1
,
Aitoshi Hoshimoto
1
,
Kazutoshi Higuchi
1
,
Takayoshi Nishimoto
1
,
Naohiko Akimoto
1
,
Atsushi Tatsuguchi
1
,
Shunji Fujimori
1
,
Osamu Goto
1
,
Katsuhiko Iwakiri
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
大腸憩室出血
,
責任憩室同定
,
colonic diverticular hemorrhage
,
stigmata of recent hemorrhage(SRH)
Keyword:
大腸憩室出血
,
責任憩室同定
,
colonic diverticular hemorrhage
,
stigmata of recent hemorrhage(SRH)
pp.401-405
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001285
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はじめに
大腸憩室出血の内視鏡診療における責任憩室としてstigmata of recent hemorrhage(SRH)の同定の重要性に関しては以前より多数の報告がある。大規模コホート研究であるCODE BLUE-J Studyでも,SRH陽性大腸憩室出血に対して内視鏡止血術を行うと,SRH陽性保存治療群およびSRH陰性大腸憩室出血群に比して,早期および後期再出血率が有意に減少することが示されている。しかし,大腸憩室出血の治療戦略としてSRH同定に妥当性が認知されてきた一方で,SRH陽性率は決して高くはないというデータも多い。大規模後ろ向き観察研究Code Blue-J studyでもSRH陽性率は30.9%と低く,実臨床ではSRHを同定できずに大腸内視鏡を終了するケースも非常に多い1)。本稿では,大腸憩室出血の出血点(SRH)の同定率を向上させる工夫や同定できなかった場合の対処,および内視鏡処置困難例などについて,内視鏡前の検査,大腸内視鏡中の効率的なSRH同定方法,SRH非同定時の内視鏡終了後の対応,内視鏡止血術が困難な場合に分けて述べる。
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