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特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅰ.腫瘍,腫瘍様病変
消化管ポリポーシスと類似ポリープ
Cronkhite-Canada症候群
Cronkhite-Canada syndrome
秋元 直彦
1
,
貝瀬 満
1
,
土生 亜実
1
,
岩切 勝彦
1
Naohiko Akimoto
1
,
Mitsuru Kaise
1
,
Tsugumi Habu
1
,
Katsuhiko Iwakiri
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
多発非腫瘍性ポリープ
,
蛋白漏出性胃腸症
,
非遺伝性
Keyword:
多発非腫瘍性ポリープ
,
蛋白漏出性胃腸症
,
非遺伝性
pp.550-551
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001355
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疾患の概要
Cronkhite-Canada症候群は,胃・小腸・大腸に非腫瘍性ポリープが多数発生する非遺伝性疾患である。本邦では比較的報告例が多いが,世界的には比較的希少である。皮膚症状(脱毛・皮膚色素沈着・爪甲委縮)は特徴的だが,初診時には50~60%に認めるのみで,皮膚所見がないことも多く注意を要する。一方,下痢を初診時主症状とする症例は70%程度と高率である。特徴的な皮膚所見(3徴)は経過中に60~80%に出現し,最終的に約90%の症例で3徴のいずれかの所見を認めることが本邦からの多施設共同研究で明らかにされた1)。高率に蛋白漏出性胃腸症を伴うため,主要所見として,蛋白漏出を伴う低蛋白血症(低アルブミン血症),味覚障害,体重減少・栄養障害がある。アルブミン値3.0g/dL以下の低アルブミン血症を伴う場合は,重症度分類で重症と分類される。頻度は低いが重要となる合併症として,消化管出血と腸重積がある。
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