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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅳ. びまん性病変
2. ポリポーシス
Cronkhite-Canada症候群
Cronkhite-Canada syndrome
秋元 直彦
1
,
貝瀬 満
1
,
岩切 勝彦
1
Naohiko AKIMOTO
1
,
Mitsuru KAISE
1
,
Katsuhiko IWAKIRI
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
多発非腫瘍性ポリープ
,
蛋白漏出性胃腸症
,
非遺伝性
Keyword:
多発非腫瘍性ポリープ
,
蛋白漏出性胃腸症
,
非遺伝性
pp.288-289
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000456
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疾患の概要
Cronkhite-Canada症候群は,消化管に多数の非腫瘍性ポリープが発生する非遺伝性疾患である。世界的には稀であるが,本邦では比較的報告例が多い。特徴的な皮膚症状(皮膚色素沈着・脱毛・爪甲萎縮の3徴)を伴うが,初診時には50〜60%で皮膚所見を認めない。一方,下痢を主症状とする症例は70%程度と高率である。本邦の多施設共同研究によると1),皮膚の3徴は経過中に60〜80%で出現し,最終的に約90%に3徴いずれかの所見を認める。蛋白漏出性胃腸症を高率に伴い,主要所見として低アルブミン血症,味覚障害あるいは体重減少・栄養障害がある。アルブミン値3.0g/dL以下は,重症と分類される。稀であるが消化管出血や腸重積をきたすことがある。病理所見は,粘膜固有層を中心に,囊状拡張を認める腺管,粘膜層の炎症細胞浸潤と浮腫を伴い,過誤腫に分類される。Cronkhite-Canada症候群では,ポリープ介在粘膜にも炎症があることが特徴の一つである。
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