特集 図説 胃と腸用語集2012
疾患〔全消化管〕
Cronkhite-Canada症候群(Cronkhite-Canada syndrome;CCS)
藤田 浩史
1
,
平田 一郎
1
1藤田保健衛生大学消化管内科
pp.807
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113381
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Cronkhite-Canada症候群(Cronkhite-Canada syndorome;CCS)は1955年CronkhiteとCanadaにより初めて報告された,脱毛症,爪異栄養症,過度の皮膚色素沈着,下痢,体重減少を伴うまれな非遺伝性の消化管ポリポーシスである.発生率は100万人に1人と言われており,ヨーロッパ系もしくはアジア系の50~60歳代で発症し,性差は男性 : 女性は3 : 2とやや男性に多い1).
CCS発症要因として精神的ストレス,ビタミン欠乏,鎮痛剤などの薬剤,甲状腺機能低下症などの報告がある1).近年全身性エリテマトーデスや関節リウマチ患者での報告や,抗核抗体陽性症例,粘膜組織中のIgG4免疫染色陽性症例の報告が相次ぎ,自己免疫疾患の関連が示唆されている2).CCS自体は良性だが,消化器癌を15%に合併する.
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