Japanese
English
特集 大腸内視鏡のトラブルシューティング
[鎮静関連トラブルシューティング]
【Note】プロポフォール血管外漏出 さてどうする?
Management of propofol extravasation
魚住 健志
1
,
阿部 清一郎
1
,
斎藤 豊
1
Takeshi Uozumi
1
,
Seiichiro Abe
1
,
Yutaka Saito
1
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
キーワード:
プロポフォール
,
血管外漏出
Keyword:
プロポフォール
,
血管外漏出
pp.342-344
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001269
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
プロポフォールはGABAA受容体を賦活化し広く中枢神経に抑制的に働く静脈麻酔薬で,催眠作用,鎮静作用,抗不安作用を有するが鎮痛作用はない。プロポフォールはおもに肝臓で代謝される薬剤であり,大部分が肝臓でグルクロン酸あるいは硫酸抱合を受けて腎より排泄され,作用発現・作用持続時間ともに短く半減期は2~8分である1)。消化器内視鏡検査における鎮静薬としてのプロポフォールはいくつか利点が報告されており,①覚醒の質がよく,悪心・嘔吐が少ない,②適切なモニタリング下で使用されれば偶発症は増加しない,③検査後の回復・離床時間が短い,④医師・看護師・患者満足度が高い,などがあげられている2)。一方で副作用として呼吸抑制・循環抑制・血管痛がある。呼吸抑制・循環抑制に関しては,SpO2モニターおよび血圧計を装着し呼吸・循環動態をモニタリングしながら少量から緩徐に使用する。血管痛に関してはリドカインやフェンタニルなどの鎮痛薬の前投与が有効とされているが,その他の対応としては手背静脈などの細い血管よりも太い血管から投与すると血管痛は減少するとされている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.