Japanese
English
症例
エピルビシンの血管外漏出後,ドセタキセル,トラスツズマブ投与時にリコール現象を生じた1例
Recall Phenomenon Induced by Docetaxel and Trastuzumab at the Site of Previous Extravasation of Epirubicin
村山 梓
1
,
簗場 広一
2
,
中川 秀己
1
,
朝比奈 昭彦
1
Azusa MURAYAMA
1
,
Koichi YANABA
2
,
Hidemi NAKAGAWA
1
,
Akihiko ASAHINA
1
1東京慈恵会医科大学,皮膚科学講座(主任:朝比奈昭彦主任教授)
2東京慈恵会医科大学葛飾医療センター,皮膚科
キーワード:
リコール現象
,
血管外漏出
,
抗癌剤
Keyword:
リコール現象
,
血管外漏出
,
抗癌剤
pp.1449-1453
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002171
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68歳,女性。1年3カ月前に乳癌を指摘され,術前化学療法としてエピルビシン塩酸塩4コース+ドセタキセル水和物4コースを投与した。エピルビシン塩酸塩1コース目に血管外漏出を生じ,一旦症状改善するも,ドセタキセル水和物1コース目投与から8日後より前回の漏出部に一致した発赤,腫脹,疼痛を生じた。ドセタキセル水和物2,3コース目投与から約8日後にも同様の症状が生じたことから,抗癌剤の血管外漏出に起因するリコール現象と考えられた。皮膚症状は一旦改善したものの,引き続いて投与したトラスツズマブにも同様の反応を示した。再燃を繰り返すリコール現象では,抗癌剤投与時のステロイド,抗ヒスタミン薬の投与や漏出部のクーリングが有用である。
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