Japanese
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症例報告
非イオン性ヨード造影剤の血管外漏出に対して切開ドレナージを施行した2例
Two cases of incision drainage for extravasation of nonionic iodinated contrast medium
勝見 達也
1,2
,
森 修一
1,3
,
高塚 純子
1
,
竹之内 辰也
1
Tatsuya KATSUMI
1,2
,
Syuichi MORI
1,3
,
Sumiko TAKATSUKA
1
,
Tatsuya TAKENOUCHI
1
1新潟県立がんセンター新潟病院皮膚科
2新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
3富山大学大学院医学薬学研究部皮膚科学
1Division of Dermatology, Niigata Cancer Center Hospital, Niigata, Japan
2Department of Dermatology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Science, Niigata, Japan
3Department of Dermatology, Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Science, University of Toyama, Toyama, Japan
キーワード:
造影剤
,
血管外漏出
,
切開ドレナージ
Keyword:
造影剤
,
血管外漏出
,
切開ドレナージ
pp.859-863
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206177
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要約 症例1:76歳,女性.右肺癌の精査目的に造影CTを施行した.検査終了後,左手背から前腕にかけての皮下の腫脹を認めた.症例2:71歳,男性.食道癌の術後定期検査に造影CTを施行した.検査終了後に左前腕皮下の腫脹を認めた.いずれの症例もCT造影剤の血管外漏出と診断し,コンパートメント症候群の予防目的に切開およびドレーン留置を行った.造影剤漏出による合併症はなく,速やかに軽快した.多量の造影剤の血管外漏出時にはコンパートメント症候群をきたす可能性があり,対応を誤ると重篤な組織障害に至る.小切開とドレーン留置は外来ですぐに行える低侵襲の処置であり,多量の造影剤の血管外漏出,コンパートメント症候群を疑う所見がみられた場合,ドレナージの必要性を考慮すべきと思われた.
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