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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
4.皮膚疾患治療のポイント
抗がん剤の血管外漏出への対応—新規薬剤デクスラゾキサンの導入
Management of chemotherapy extravasation:New drug dexrazoxane
竹之内 辰也
1
Tatsuya TAKENOUCHI
1
1新潟県立がんセンター皮膚科
1Division of Dermatology, Niigata Cancer Center Hospital, Niigata, Japan
キーワード:
抗がん剤
,
血管外漏出
,
アントラサイクリン
,
デクスラゾキサン
Keyword:
抗がん剤
,
血管外漏出
,
アントラサイクリン
,
デクスラゾキサン
pp.105-109
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204415
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summary
注射抗がん剤の血管外漏出による組織障害はときに深刻な潰瘍・壊死を引き起こすため,発生時には皮膚科医の介入を伴う迅速かつ的確な対応が求められる.起壊死性抗がん剤の中で特にアントラサイクリン系薬剤は少量の漏出であっても強い組織障害性を示し,その漏出対策にはよりいっそうの配慮を要する.デクスラゾキサン(サビーン®)は,アントラサイクリンの血管外漏出に対する治療薬として,海外に続いて2014年1月に本邦においても承認された.漏出発生後は可及的速やかに,遅くとも6時間以内の静注開始が必要で,3日間連日投与する.組織壊死を抑止する高い治療効果が示されている一方で,悪心や発熱,骨髄抑制などの副作用が一定の頻度で認められるため,実際の取扱いにあたっては適用となる症例の選別が必要となる.発生時に迅速に対応するためにも,デクスラゾキサンの適用基準を明確に取り決めたマニュアルを事前に整備しておくことが望ましい.
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