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特集 内科と外科のコラボレーション手術の今
[胃粘膜下腫瘍に対するコラボレーション手術]
【Note】食道胃接合部腫瘍に対するLECS
Laparoscopic and endoscopic cooperative surgery (LECS) for esophagogastric junction tumor
川久保 博文
1
,
竹内 優志
1
,
松田 諭
1
,
中村 理恵子
1
,
北川 雄光
1
Hirofumi Kawakubo
1
,
Masashi Takeuchi
1
,
Satoru Matsuda
1
,
Rieko Nakamura
1
,
Yuko Kitagawa
1
1慶應義塾大学医学部一般・消化器外科
キーワード:
食道胃接合部
,
SMT
,
LECS
Keyword:
食道胃接合部
,
SMT
,
LECS
pp.1551-1558
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001112
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はじめに
腹腔鏡内視鏡合同手術(laparoscopic and endoscopic cooperative surgery:LECS)は,胃粘膜下腫瘍に対する低侵襲手術として2008年にHikiらにより報告された1)。内視鏡的に全周性に粘膜切開を行い,漿膜筋層を意図的に穿孔させて全周を内視鏡的もしくは腹腔鏡的に切除し,胃壁欠損部を縫合閉鎖する手技である。内視鏡と腹腔鏡によって病変を胃内腔および外腔から観察し,病変の範囲を正確に把握し,必要最小限の切除が可能となる。それによって,不完全切除や,過剰切除による変形,狭窄を防ぐことが可能である。胃局所切除の方法として当初報告されたLECSはclassical LECSとされ,他にもinverted LECS,closed LECS,clean-netやNEWSなどの関連手技が考案され,腫瘍の形態や大きさ,占居部位によって適切な手技を選択することが可能となった。LECSは胃粘膜下腫瘍(submucosal tumor:SMT)のみならず,胃癌や十二指腸腫瘍,大腸腫瘍にも応用され,食道胃接合部近傍など困難部位での局所切除も安全に可能となった。
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