Japanese
English
特集 表在型食道扁平上皮癌―内視鏡診断と治療update―
[各論 表在型食道扁平上皮癌の内視鏡診断]
表在型食道扁平上皮癌診断におけるヨード染色と生検の功罪
Merits and demerits of iodine staining and biopsy in the diagnosis of superficial esophageal squamous cell carcinoma
中村 理恵子
1
,
大森 泰
2
,
竹内 優志
1
,
松田 諭
1
,
川久保 博文
1
,
大喜多 肇
3
,
北川 雄光
1
Rieko Nakamura
1
,
Tai Omori
2
,
Masashi Takeuchi
1
,
Satoru Matsuda
1
,
Hirofumi Kawakubo
1
,
Hajime Okita
3
,
Yuko Kitagawa
1
1慶應義塾大学医学部一般・消化器外科
2川崎市立井田病院内視鏡センター
3慶應義塾大学医学部病理診断部
キーワード:
表在型食道癌
,
ヨード染色
,
食道粘膜生検
Keyword:
表在型食道癌
,
ヨード染色
,
食道粘膜生検
pp.1793-1797
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000526
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
食道粘膜に対するヨード染色は,おもに食道表在癌の拾い上げと病変の範囲診断のために施行される。非癌領域とのコントラストが明瞭に描出されるため,視認しやすく,非常に有用な方法である。画像強調法や拡大観察と合わせることにより,内視鏡診断に重要な情報をもたらす。一方で,ヨード液の刺激が強いことによる被検者の胸やけや胸痛の自覚,食道粘膜における上皮剝離,それに伴う病変形態変化のリスクが存在する。ヨード染色はこれらの特性をふまえて施行するべきであり,同様に病変変形のリスクをはらむ病変からの生検も慎重に施行するべきである。本稿においてはヨード染色の功罪に関し,生検の影響に関しての考察とあわせて解説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.