特集 食道胃接合部癌の治療戦略と手術アプローチ
Ⅱ.各論 5)食道胃接合部癌に対する再建─観音開き法
川久保 博文
1
,
竹内 優志
1
,
松田 諭
1
,
北川 雄光
1
1慶應義塾大学医学部一般・消化器外科
キーワード:
食道胃接合部
,
ロボット支援手術
,
観音開き法
Keyword:
食道胃接合部
,
ロボット支援手術
,
観音開き法
pp.1425-1430
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004592
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
欧米諸国同様,わが国でも食道胃接合部癌が増加傾向にあり,学会においてもその治療戦略,手術アプローチ,手術術式,リンパ節郭清範囲に関しての議論が多くなされている。食道胃接合部癌の定義については海外ではSiewert分類が使用されているが,わが国では日本胃癌学会,日本食道学会ともに西分類を採用している。食道癌取扱い規約第12版1)では,「食道胃接合部の上下2 cm以内を食道胃接合部領域(Zone of Esophagogastric Junction;Jz)とし,癌腫の中心(最深部)が食道胃接合部領域にあるものを,組織型に関わらず食道胃接合部癌」と定義している。食道胃接合部癌は頸部,縦隔,腹部の広範囲にリンパ節転移を認めることがあり,至適リンパ節郭清範囲についての一定の見解はない。したがって,手術アプローチ,手術術式,リンパ節郭清範囲は施設によってさまざまであるのが現状である。手術アプローチと手術術式の選択は,至適リンパ節郭清範囲,吻合の安全性,手術の侵襲度を総合的に検討して決定されるべきである。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.