Japanese
English
特集 胃良性疾患の近未来
[炎症性疾患]免疫機序によるもの
IgG4関連疾患(胃病変)
Immunoglobulin G4 (IgG4)-related disease of the stomach
中村 晃
1
,
岩谷 勇吾
1
,
上原 剛
2
,
小口 貴也
1
,
田中 友之
1
,
近藤 翔平
1
,
鎌倉 雅人
1
,
栁澤 匠
1
,
堀内 一太郎
1
Akira Nakamura
1
,
Yugo Iwaya
1
,
Takeshi Uehara
2
,
Takaya Oguchi
1
,
Tomoyuki Tanaka
1
,
Shohei Kondo
1
,
Masato Kamakura
1
,
Takumi Yanagisawa
1
,
Ichitaro Horiuchi
1
1信州大学医学部内科学第二教室
2信州大学医学部病態解析診断学
キーワード:
IgG4関連疾患
,
IgG4関連消化管病変
,
病理組織診断
Keyword:
IgG4関連疾患
,
IgG4関連消化管病変
,
病理組織診断
pp.1037-1044
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000836
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はじめに
IgG4関連疾患(IgG4-related disease:IgG4-RD)は単一,あるいは複数の臓器に,腫大,結節,肥厚性の病変が出現する全身性の疾患で自己免疫的な機序が考えられている。特徴的な病理組織学的所見である,リンパ球形質細胞浸潤,花筵状線維化,閉塞性静脈炎,IgG4陽性形質細胞浸潤を有する膵炎が,lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)として膵病変で最初に報告され1),その後,血清IgG4値の特異的な上昇が明らかとなった2)。徐々に他臓器でも同様の組織学的,血清学的に共通する所見を有する疾患群の存在が明らかとなり,IgG4-RDという概念が本邦から発信され,国際的にもコンセンサスが得られている3)。膵臓,胆管,涙腺・唾液腺,肺,腎臓,後腹膜,リンパ節といった比較的合併頻度の高い臓器では疾患概念が確立されつつあるが,IgG4関連消化管病変については少数例での報告を散見するにとどまっている。本稿では,特に胃病変についてこれまでの報告をもとに自験例の提示を含め概説する。
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