特集 消化器内科医のためのIgG4関連疾患
10.IgG4関連消化管病変
能登原 憲司
1
,
内野 かおり
1
,
板倉 淳哉
1
1倉敷中央病院病理診断科
キーワード:
IgG4関連疾患
,
消化管
,
神経周囲炎
,
胃生検
,
病理
Keyword:
IgG4関連疾患
,
消化管
,
神経周囲炎
,
胃生検
,
病理
pp.675-679
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001796
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
IgG4関連消化管病変の特徴が解明されつつある.本邦の多施設共同研究の結果,固有筋層の肥厚性病変(筋状,とくに神経叢周囲への炎症細胞浸潤)と粘膜のbottom-heavy plasmacytosis (BHP;粘膜深部を主体とする形質細胞の集簇)が特徴的な病理所見であること,胃癌や潰瘍に合併することが明らかになっている.とくにBHPは胃生検でも診断でき,たとえ粘膜の炎症が全層性にみられても,IgG4免疫染色を行うことでBHPが明らかになる症例も存在する.多数のIgG4陽性細胞が認められても,病理所見が合致しないもの,とくに貫壁性に構造の破壊をきたすような病変はIgG4関連消化管病変には含めないことが望ましい.
Copyright © 2021, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.