Japanese
English
特集 胃良性疾患の近未来
[炎症性疾患]免疫機序によるもの
GVHD関連病変
Gastritis related to acute graft versus host disease (GVHD)
野村 浩介
1
,
木脇 圭一
2
,
梶 大介
3
,
菊池 大輔
1
,
布袋屋 修
1
Kosuke Nomura
1
,
Keiichi Kinowaki
2
,
Daisuke Kaji
3
,
Daisuke Kikuchi
1
,
Shu Hoteya
1
1虎の門病院消化器内科
2虎の門病院病理診断科
3虎の門病院血液内科
キーワード:
graft-versus-host disease(GVHD)
,
移植片対宿主病
Keyword:
graft-versus-host disease(GVHD)
,
移植片対宿主病
pp.1045-1050
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000837
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はじめに
移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD)は,同種造血幹細胞移植後にみられる症候群で,移植片の宿主に対する免疫学的反応である1)。特に急性GVHDは移植の成否に関わる重要な合併症である。同種免疫反応であるGVHDは合併症の側面もあるが,同種免疫反応そのものは抗腫瘍効果や造血細胞の生着促進に不可欠な反応でもある。このため過度な免疫抑制はGVHDを抑制するが,同種免疫反応を低減させることにより白血病などの再発やウイルス感染症などの合併症増加をきたし,必ずしも同種幹細胞移植の成功には寄与しない。また,過小な免疫抑制はGVHDによる組織障害をきたし,破綻した組織における同種免疫反応の増加や感染症により,移植関連死の増加につながる。
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