充実性偽乳頭腫瘍（SPN）の診断と治療方針

Diagnosis and therapeutic strategies for solid-pseudopapillary neoplasm (SPN)

はじめに

　充実性偽乳頭腫瘍（solid-pseudopapillary neoplasm：SPN）は，比較的若年女性の膵体尾部に単発でみられることが多い腫瘍性病変である。典型例では腫瘍は単房性で被膜を有し，充実と囊胞成分が混在し内部の壊死や石灰化を伴うことが多く，主膵管と交通を認めない場合が多い。病変が充実成分のみ，あるいは小型の場合は鑑別診断に難渋することがある。本稿ではSPNの鑑別診断および治療方針を中心に概説する。