今月の臨床 CTかMRIか—婦人科腫瘍読影のポイント
卵巣腫瘍
10.充実性腫瘍の診断と鑑別
西田 敬
1
,
今石 清久
1
1久留米大学医学部産婦人科
pp.80-87
発行日 1995年1月10日
Published Date 1995/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902015
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに 婦人科領域における画像診断法は,主として超音波断層法,CT, MRIが用いられている.とくに近年施行され始めたMRIは,子宮筋腫と腺筋症の鑑別や血液成分同定による内膜症性嚢胞の診断,子宮癌の画像的臨床進行期診断などに威力を発揮し,今後ますます応用範囲の拡大が期待されている.しかし,該当する充実性腫瘍の良・悪性の鑑別や進行期の判断,組織型の推定はMRIなどの新しい撮像技術を用いてもいまだ確立された方法はないと思われる.
実地臨床における卵巣腫瘍の診断の第一歩は、内診および超音波断層法といえよう.とくに超音波法における経腟プローブの普及はより小さな卵巣腫瘍の発見率を飛躍的に向上しつつある,しかし,われわれが遭遇する症例の多くは,自覚症状を欠くため初診時にはすでに大きな腫瘤を形成しており,依然としてsilent killerと呼称されている腫瘍であるゆえんでもあろう.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.