臨床医に役立つ実践病理診断 病理医から臨床医へのメッセージ・8【最終回】
膵充実性腫瘍
柳澤 昭夫
1
,
安川 覚
1
Akio YANAGISAWA
1
,
Satoshi YASUKAWA
1
1京都府立医科大学大学院 人体病理
1Department of Pathology,Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
膵充実性腫瘍
,
hypocellular solid neoplasm
,
solid cellular pancreatic neoplasm
Keyword:
膵充実性腫瘍
,
hypocellular solid neoplasm
,
solid cellular pancreatic neoplasm
pp.62-70
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100520
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要旨
今回は病理医から臨床医へのメッセージの最終回である.最終回にあたって膵腫瘍で最も頻度が高い膵充実性腫瘍を取り上げた.充実性腫瘍は囊胞性腫瘍に対峙する用語として用いられている.組織学的には,間質成分が多く,細胞成分の比較的少ない腫瘍hypocellular solid neoplasmと間質成分が少なく細胞成分が多い,密度の高い腫瘍solid cellular pancreatic neoplasmに大きく分けられる.前者に含まれるものは,浸潤性膵管癌であり,後者に含まれるものは,内分泌腫瘍,腺房細胞腫瘍,solid-pseudopapillary腫瘍,膵芽腫などがある.これらを画像診断するためにはその組織像をよく理解することが重要であり,特に難治性膵管癌を予後の良い早期の段階で画像的にとらえるためには,癌がどのように進展・浸潤していくか理解することが重要である.
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