Japanese
English
特集 SPNのすべて―典型例から非典型例まで
嚢胞成分のない充実性SPNの1例
Solid-pseudopapillary neoplasm of the pancreas without a cystic component
倉田 昌直
1
,
本田 五郎
1
,
神澤 輝実
2
,
江川 直人
2
,
鶴田 耕二
1
,
立石 陽子
3
Masanao KURATA
1
,
Goro HONDA
1
,
Terumi KAMISAWA
2
,
Naoto EGAWA
2
,
Koji TSURUTA
1
,
Yoko TATEISHI
3
1がん・感染症センター 都立駒込病院 肝胆膵外科
2がん・感染症センター 都立駒込病院 消化器内科
3がん・感染症センター 都立駒込病院 病理科
1Department of Hapatobiliary Pancreatic Surgery,Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Disease Center Komagome Hospital,Tokyo
2Department of Internal Medicine,Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Disease Center Komagome Hospital,Tokyo
3Department of Pathology,Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Disease Center Komagome Hospital,Tokyo
キーワード:
solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)
,
嚢胞成分
Keyword:
solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)
,
嚢胞成分
pp.421-426
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100175
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
SPNは若年女性に発生する比較的希な膵腫瘍で,混在する嚢胞成分と充実性成分は腫瘍の特徴の1つである.近年,画像診断の進歩に伴いSPNの報告例も増加しており,比較的小さなSPNがしばしば発見されるようになってきた.本症例の患者は38歳の女性で,膵体部の大きさ20mmの境界明瞭な充実性腫瘍は造影効果に乏しく,典型的なSPNに認められる嚢胞成分を伴っていなかった.腺房細胞癌などの悪性腫瘍も否定できないため膵体尾部切除を施行したところ,病理組織学的診断はSPNであった.腫瘍径が比較的小さいうちに発見されたため,腫瘍の増大に伴って二次的に形成されると思われる嚢胞成分が形成される前の状態であったものと考えられた.今後このような症例が増加してくることが予想される.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.