Japanese
English
特集 膵囊胞マネージメント,これ一冊
[腫瘍性囊胞性疾患]
漿液性囊胞腫瘍の診断
Diagnosis of serous cystic neoplasms (SCN)
中井 陽介
1,2
,
鈴木 辰典
2
,
佐藤 達也
2
,
石垣 和祥
2
,
白田 龍之介
2
,
斎藤 友隆
2
,
高原 楠昊
2
,
濱田 毅
2
,
藤城 光弘
2
Yousuke Nakai
1,2
,
Tatsunori Suzuki
2
,
Tatsuya Sato
2
,
Kazunaga Ishigaki
2
,
Ryunosuke Hakuta
2
,
Tomotaka Saito
2
,
Naminatsu Takahara
2
,
Tsuyoshi Hamada
2
,
Mitsuhiro Fujishiro
2
1東京大学医学部附属病院光学医療診療部
2東京大学医学部消化器内科
キーワード:
膵囊胞
,
漿液性囊胞腫瘍
,
超音波内視鏡
Keyword:
膵囊胞
,
漿液性囊胞腫瘍
,
超音波内視鏡
pp.916-920
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000804
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Ⅰ.漿液性囊胞腫瘍とは
膵漿液性囊胞腫瘍(serous cystic neoplasm:SCN)は,中高年の女性に多い,比較的稀な膵囊胞性腫瘍であり,膵腫瘍全体の1~2%を占めるとされている。膵体尾部に好発するとされているが,いずれの部位にも発生しうる。病理学的にはグリコーゲンに富む淡明な細胞で構成される立方上皮に被われ,内腔が漿液に満たされた多発囊胞よりなる腫瘍である。SCNは良性疾患であることから有症状例以外は経過観察が基本的な方針であるが,本邦の検討1)では約1%に肝転移を認めたと報告されている。典型的な病変では画像診断も比較的容易である一方で肉眼的形態もさまざまであり,診断に悩むことも少なくない。
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